単純性血管腫 大人になってから濃くなる赤あざの見分け方と治療
子どもの頃からある赤あざが、大人になってから前より濃くなってきた気がする。
結論からお伝えすると、単純性血管腫は生まれつきの赤あざで自然に消えることはなく、大人になってから色が濃くなったり、皮膚が厚くなって盛り上がったりすることがあります。
一方で、大人になってから急に現れた赤い点やあざは単純性血管腫ではなく、老人性血管腫やくも状血管腫など別の病変である可能性が高いです。
治療の基本は血管に選択的に反応するパルス色素レーザーで、年齢に関わらず保険が適用されます。
この記事では、大人になってからの変化、後天性の赤あざとの見分け方、大人の治療の進め方を解説します。
この記事でわかること
- 大人になってから赤あざの色が濃くなったり盛り上がったりする理由
- 生まれつきの単純性血管腫と、大人になって急にできた赤あざの見分け方
- 首の後ろや後頭部に残っている赤いあざの考え方
- パルス色素レーザーによる治療と、保険が適用される範囲
- 大人の治療で必要になる回数と、当院の治療体制
単純性血管腫が大人になってから目立ってくる理由

単純性血管腫は、皮膚の浅い層にある毛細血管が生まれつき拡張している状態で、医学的には血管奇形に分類されます。
血管が増える腫瘍ではなく、血管の「つくられ方」の異常であるという点が重要です。
このため、いちご状血管腫(乳児血管腫)のように途中で自然に小さくなっていく経過をたどりません。
生まれたときから同じ場所に存在し、身体の成長に比例して面積が広がっていきます。
発症の割合や原因については、別の記事で詳しく整理しています。
詳しくは「単純性血管腫は何人に1人?|赤ちゃんの発症率・原因・治療法まで徹底解説」をご覧ください。
大人になってからの単純性血管腫に起こる3つの変化

大人になって「前と違う」と感じる変化は、大きく3つに整理できます。
色調が濃くなる(赤から赤紫・暗赤色へ)
もっとも多くの方が自覚するのは色の変化で、拡張した毛細血管の内腔が年月をかけて広がることで、あざの中に溜まる血液量が増え、色が深く見えるようになります。
赤紫や暗赤色へと近づいていくこの経過は、単純性血管腫が「ポートワイン母斑」とも呼ばれる理由でもあります。
皮膚が厚くなる(肥厚)
次に起こりやすいのが、あざの部分の皮膚が厚みを帯びてくる変化です。
肥厚が進むと表面の凹凸が目立ち、メイクでカバーしにくくなります。
結節(こぶ状の盛り上がり)ができる
さらに時間が経過すると、あざの一部が粒状・イボ状に盛り上がることがあります。
これは結節と呼ばれ、中年期以降に顔の単純性血管腫で生じやすいとされる変化です。
結節ができた部分は摩擦や外傷で出血しやすくなることがあり、見た目だけの問題にとどまりません。
一般に、色調の変化だけの段階に比べ、肥厚や結節が進んだ段階のほうが治療の難易度は上がります。
大人になって急にできた赤あざは単純性血管腫ではない可能性があります

単純性血管腫は生まれつきのあざであり、大人になってから何もなかった場所に新しく発生することは基本的にありません。
したがって「最近になって急に赤い点が出てきた」という場合は、別の病変を考える必要があります。
大人に多い後天性の病変との違いを表で整理します。
| 種類 | いつからあるか | 見た目の特徴 | できやすい部位 |
|---|---|---|---|
| 単純性血管腫 | 生まれつき | 平らな赤い斑。成長に比例して広がり、成人期に濃くなる・盛り上がることがある | 顔、首、体幹、手足 |
| 老人性血管腫 | 後天性(20代から生じることもある) | 1〜5mm程度のルビー色をした小さな斑点。「赤いほくろ」と表現されることが多い | 胸、腹、背中など上半身 |
| くも状血管腫 | 後天性 | 中心の小さな赤い点から、くもの脚のように毛細血管が放射状に広がる。多くは1cm未満 | 顔、首、腕など |
| 静脈湖 | 後天性 | 青紫〜紺色でやわらかく盛り上がる。数mm程度のことが多い | 唇、耳など |
決め手になるのは「生まれつきあったかどうか」です。
母子健康手帳や幼少期の写真で、昔から同じ場所にあざがあったか確認できることがあります。
なお、くも状血管腫は妊娠中や肝臓の状態と関連して現れることが知られており、数が急に増えた場合には全身の評価が必要になることもあります。
見た目だけで自己判断せず、皮膚科専門医または形成外科を受診して診断を受けてください。
色による見分け方は、乳児期のあざを例にした記事で解説しています。
詳しくは「赤ちゃんの顔のあざは消える?色でわかる種類・見分け方と治療開始時期を解説」をご覧ください。
首の後ろ・後頭部の赤いあざが大人になっても残っている場合
「首の後ろに生まれつき赤いあざがあり、大人になっても消えていない」という相談は少なくありません。
後頭部からうなじにかけての境界がぼやけた赤い斑は、ウンナ母斑と呼ばれることがあります。
ウンナ母斑は医学的には単純性血管腫と同じ毛細血管の拡張によるもので、新生児の一定の割合にみられるありふれた赤あざです。
多くは幼児期までに薄くなって目立たなくなりますが、一部は成人期まで残ると報告されています。
同じように額や眉間、まぶたに生まれつきある淡い赤みはサーモンパッチと呼ばれ、こちらは乳幼児期に薄くなっていくことが多いあざです。
首の後ろや後頭部の赤あざが大人になっても残っている場合は、診察で種類を確かめたうえで治療を検討することをおすすめします。
大人になってからでも単純性血管腫の治療はできます
「子どものうちでなければ治療の意味がない」ということはありません。
大人になってからでも、治療によって色調を目立ちにくくしていくことは十分に目指せます。
治療の基本はパルス色素レーザー
単純性血管腫の治療の中心となるのは、パルス色素レーザー(色素レーザー)です。
このレーザーは、血液中のヘモグロビンに選択的に吸収される波長を用いています。
拡張した毛細血管だけに熱を作用させ、周囲の皮膚組織へのダメージを抑えながら血管を閉じていく仕組みです。
年齢に関わらず保険が適用されます
単純性血管腫のレーザー治療は、大人であっても公的医療保険の対象となります。
「大人の治療は美容目的だから自費になるのでは」という心配は不要です。
当院で扱うあざのうち、異所性蒙古斑・太田母斑・扁平母斑など多くのあざ治療が保険適用の対象になります。
当院のあざ治療で対応している内容はあざ治療のページにまとめています。
大人は回数が増える傾向があり、完全に消えるとは限りません
大人の単純性血管腫は、子どもと比べて皮膚が厚く、拡張した血管も太くなっていることが多いという特徴があります。
そのためレーザーの光が目的の血管に届きにくく、必要な照射回数が増える傾向にあります。
治療は一定の間隔を空けて複数回行うのが一般的で、経過を見ながら回数を重ねていきます。
効果の出方には個人差があり、完全に消えるとは限らず、色調が薄くなるところを目標とする場合もあります。
肥厚や結節が進んだ部分では、色の部分ほど反応しにくいこともあります。
みやまクリニック形成外科・美容皮膚科の治療体制

当院では、あざの診察を日本レーザー医学会認定のレーザー専門医が担当しています。
初回の診察では、次の内容をご説明したうえで治療計画を立てます。
- あざの種類
- 治療方法
- 想定される治療回数
- 期待される効果
- 起こりうるリスク
単純性血管腫の治療を希望される場合は、久留米大学病院へご紹介したうえで、当院の医師が治療を担当します。
大学病院の設備のもとで治療を受けながら、担当する医師は変わらないという体制です。
治療後の経過観察や日常的な診察は、当院で継続していただけます。
長期にわたりやすい治療だからこそ、通院の負担を抑えて同じ医師に相談し続けられる意味は大きいと考えています。
クリニック選びのポイントは、別の記事で整理しています。
詳しくは「福岡であざのレーザー治療|信頼できるクリニックの見分け方とみやまクリニック形成外科・美容皮膚科が選ばれる理由」をご覧ください。
治療を受けるときに気をつけたいこと
照射後の皮膚は一時的にバリア機能が低下しており、紫外線の影響を受けやすい状態になっています。
この時期に強い紫外線を浴びると、炎症後の色素沈着を招くことがあります。
外出時は日焼け止めを使用し、刺激の少ない保湿剤で肌の水分を保つようにしてください。
また、治療は自己判断で中断せず、医師が指示する間隔を守って継続することが大切です。
照射後に赤みや軽度の腫れが出ることがありますが、気になる症状があれば自己判断せず担当医にご相談ください。
単純性血管腫が大人になってから気になる方のよくある質問
診察の際に多くいただくご質問をまとめました。
単純性血管腫は大人になってからでも治療できますか?
治療できます。
子どもの頃より回数が必要になる傾向はありますが、パルス色素レーザーで色調を目立ちにくくしていくことは十分に目指せます。
大人になってから急にできた赤あざも単純性血管腫ですか?
単純性血管腫は生まれつきのあざのため、大人になって新しく生じることは基本的にありません。
老人性血管腫やくも状血管腫など別の病変である可能性が高く、診察による鑑別が必要です。
大人の治療は保険適用になりますか?
単純性血管腫のレーザー治療は、年齢に関わらず公的医療保険の対象です。
大人だと治療回数は何回くらい必要ですか?
あざの色調・範囲・部位・皮膚の厚みによって大きく変わるため、一律の回数はお示しできません。
複数回の照射を重ねる前提で、初回診察時に想定される回数をご説明します。
首の後ろの赤いあざが大人になっても消えません。治療できますか?
後頭部やうなじの赤あざも、種類を確認したうえで治療の対象となる場合があります。
まとめ|大人になってからの赤あざは、まず種類を確かめることから
単純性血管腫は生まれつきの赤あざで自然には消えず、大人になってから色調が濃くなる・皮膚が厚くなる・結節ができるといった変化が起こることがあります。
一方、大人になって急に現れた赤い点は別の病変であることが多く、まずは診断が出発点になります。
治療の基本はパルス色素レーザーで、年齢に関わらず保険が適用されます。
みやまクリニック形成外科・美容皮膚科では、日本レーザー医学会認定のレーザー専門医があざを診察し、治療を希望される場合は久留米大学病院へご紹介したうえで当院の医師が治療を担当します。
長年気にしてきた赤あざについて、まずは「これは何なのか」をはっきりさせるところから始めてみませんか。
福岡県みやま市のみやまクリニック形成外科・美容皮膚科まで、どうぞお気軽にご相談ください。
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