顔や首に残る赤あざに悩む方は少なくありません。その正体の多くは「単純性血管腫」と呼ばれる先天性の血管異常です。生まれつきあるものの、成長とともに色や形が変化し、成人になっても消えないケースがあります。
しかし、近年ではレーザー技術の進歩により、大人になってからでも改善を目指すことが可能です。
この記事では、単純性血管腫の特徴や治療に用いられるレーザーの仕組み、治療時の注意点を医学的な観点から解説します。肌の赤みで悩んでいる方は、まず専門の医療機関でカウンセリングを受け、自身の状態を正しく把握することから始めてみましょう。
また、『みやまクリニック』では、皮膚科と形成外科の専門的知識をもとに、カウンセリングで現在の症状を詳しく診断し、最適な治療プランを提案するため、まずは一度相談してみましょう。
単純性血管腫とは

単純性血管腫とは、皮膚表面近くの毛細血管が拡張し、赤く見える先天性の血管異常を指します。
一般的には「赤あざ」と呼ばれ、生まれつき存在するケースが多いです。成長に伴い色調が濃くなったり、範囲が広がったりする場合もあり、顔や首など目立つ部位にできやすい特徴があります。
痛みはないものの、見た目による心理的ストレスを抱える人は多く、放置すると盛り上がりや暗赤色へと変化することもあります。美容面だけでなく、精神的な負担を軽減するためにも、早期の診察と治療が大切です。
単純性血管腫の治療を始める時期
単純性血管腫の治療は、年齢や症状の進行度によって最適なタイミングが異なります。
特に皮膚の厚さや血管の深さが関係するため、医師の判断に基づいた開始時期の見極めが重要です。
赤ちゃんから治療が可能
単純性血管腫は、乳児期からレーザー治療を始めることが可能です。皮膚が薄く血管が浅い位置にあるため、光が効率的に反応し、少ない回数で色味の改善が期待できます。
成長とともに皮膚が厚くなるとレーザーの反応が鈍くなる傾向があるため、早期治療が推奨されます。ただし、麻酔の使用や通院負担を考慮し、医師が総合的に判断して治療開始時期を決定することが重要です。
大人になってからでも治療が可能
成人後の単純性血管腫でも、適切な治療を行うことで改善を目指せます。年齢を重ねると血管が太くなり、レーザーへの反応に時間を要することがありますが、波長や出力を調整することで十分な効果を得ることが可能です。
治療回数は増える傾向にありますが、最新のレーザー機器を用いることで安全性を保ちながら、自然で均一な肌色へと導くことができます。美容的にも心理的にも満足度が高く、大人になってからでも遅くない選択肢です。
単純性血管腫の治療に使われるレーザーの特徴

単純性血管腫の治療では、血管に含まれるヘモグロビンに反応する特殊な波長のレーザーが使用されます。
症状の深さや色味に応じて機器を選定し、個々の状態に合わせた照射を行います。
血管に反応する波長を用いたレーザーで治療する
この治療では、血管内のヘモグロビンが吸収しやすい585〜595nm前後の波長をもつレーザーを使用します。
光エネルギーが血管に選択的に吸収されることで、周囲の正常な皮膚組織を傷つけることなく、拡張した毛細血管のみを熱凝固させて縮小させます。従来の光治療(IPL)よりも精密で、深い層の血管にも届きやすい点が利点です。
皮膚へのダメージを最小限に抑えて照射できる
冷却機能を搭載したレーザー機器により、照射時の痛みや赤みを軽減しながら安全に治療を行えます。表皮温度の上昇を抑えることで炎症後の色素沈着リスクを低減し、施術後のダウンタイムを最小限に抑えられます。
そのため、治療後も日常生活への影響が少なく、通院しながら無理なく継続することが可能です。
色調や深さに応じて出力を調整できる
色調や深さに応じて出力を調整できる
単純性血管腫は、浅い部分にある薄い赤色から、深部にある濃い赤色まで多様です。波長や出力を細かく調整することで、深さや色の濃さに合わせた段階的な治療が可能です。
医師が血管の構造や皮膚厚を考慮して照射条件を設定するため、より自然でムラのない仕上がりを目指せます。
単純性血管腫に対してレーザー治療を行う際の注意点

安全かつ効果的に治療を進めるためには、照射後のケアと医師の指示を守ることが欠かせません。特に肌の保護と継続的なフォローアップが治療結果に大きく影響します。
照射後は紫外線対策と保湿を徹底する
レーザー照射後の皮膚は一時的に敏感になっているため、紫外線対策と保湿を徹底することが大切です。紫外線を浴びると炎症後色素沈着を引き起こし、せっかくの治療効果を損ねる可能性があります。
日中はSPF値の高い日焼け止めを使用し、刺激の少ない保湿剤で肌の水分を保ちましょう。1週間程度は摩擦や熱刺激を避け、清潔な状態を保つことが望ましいです。
治療効果を安定させるために医師の指示を守る
レーザー治療は一度で完結するものではなく、一定の間隔をあけて複数回行うことで効果が定着します。自己判断で治療間隔を変えたり市販薬を併用したりすると、炎症や再発のリスクを高める場合があります。
医師の指示に従い、通常4〜8週間ごとの照射ペースを守ることが安定した治療結果につながります。定期的な診察とフォローアップを継続することで、より確実に改善を実感できるでしょう。
まとめ|正しい知識と信頼できる医師のもとで治療を始めよう
単純性血管腫は、成人後でも改善を目指せる血管性疾患です。症状に応じたレーザー機器の選択と医師の経験が、治療結果を大きく左右します。
『みやまクリニック』では、専門医が安全で的確な治療を担当します。治療後のフォローアップも同院で継続可能なため、初めての方でも安心です。赤あざを改善したい方は、まずはカウンセリングで現在の症状や希望を相談し、自分に合った治療プランを見つけましょう。