単純性血管腫は何人に1人?|赤ちゃんの発症率・原因・治療法まで徹底解説

単純性血管腫は、赤ちゃんに見られる代表的な皮膚の良性腫瘍の一つです。

まずは発症率から解説し、その後に原因や遺伝との関係、さらには治療法をご紹介いたします。

赤ちゃんや幼児にあざがあって心配になったとき、様子を見るだけでいいのか迷う方も少なくありません。まずは専門医に相談してください。

単純性血管腫についてお悩みの方は、女性医師が丁寧に対応する みやまクリニック までお気軽にご相談ください。

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単純性血管腫は1000人に約3人が発症

単純性血管腫(カピラリー血管奇形)は、生まれつき皮膚に現れる赤いあざ(血管奇形)の一種で、医学的には毛細血管奇形(capillary malformation:CM)と呼ばれ、(日本医事新報社・赤あざ(単純性血管腫)[私の治療]より抜粋)によりますと、単純性血管腫の発症率は約0.3%とされ、1000人に約3人が発症するとされています。

出生時から存在する先天性の皮膚病変で、成長とともに色が濃くなったり、厚みが増したりするのが特徴です。

成人になると暗赤色へと変化し、ボコボコとした結節状の隆起が出ることもあります。

発症に男女差はほとんどないと考えられています。

比較的まれではありますが、医療現場では日常的に見られる疾患です。

次に、単純性血管腫ができる原因や遺伝性との関係について詳しく解説していきます。

単純性血管腫ができる原因は?遺伝性について

単純性血管腫(毛細血管奇形)の正確な原因は、現時点ではまだ完全には解明されていません。

しかし、医学的には「皮膚の深層にある毛細血管が拡張する構造的な異常(奇形)」が関与しており、特に血管内皮細胞の形成や拡張の異常が主要な要因の一つと考えられています。

遺伝性は低いが、研究は進行中

遺伝の影響はごくわずかとされており、単純性血管腫の多くは偶然に起こるものです。

親から子へと受け継がれる可能性は低いと報告されています。

また、妊娠中の経過や母体の生活習慣が直接の原因になることもほとんどありません。

このように、単純性血管腫は単一の原因で発症するわけではなく、遺伝子・環境・ホルモンなど複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

発症メカニズムの詳細については、今後の研究でさらに明らかになっていくでしょう。

単純性血管腫は基本的に成長とともに自然と治ることはない

黒子

単純性血管腫(毛細血管奇形)は、一部を除き成長とともに自然に消えることはありません。

単純性血管腫は出生時から存在するあざで、原因は毛細血管が拡張した構造的な異常(capillary malformation)にあります。

一度形成された異常血管は自然に縮小せず、そのまま一生残るのが一般的です。

乳児期は比較的淡いピンク色や赤色をしていることが多いですが、幼児期から学童期にかけて次第に色が濃くなることがあります。

成人になると暗赤色や紫色に近づき、皮膚の表面が厚くなったり、ボコボコとした血管の盛り上がりが目立ってくる場合もあります。

こうした変化は見た目の印象に影響するだけでなく、心理的な負担につながることも少なくありません。

治療は早期開始が推奨される理由

見た目の改善や心理的負担を軽減するため、レーザー治療は乳児期から始めるのが理想とされています。

1歳未満の赤ちゃんは皮膚が薄く、血管も浅い場所にあるためレーザーがしっかり届きやすく、少ない回数で治療が終わる可能性が高いといわれています。

早い時期に治療を終えておくことで、成長してから学校生活や友達関係であざを気にするストレスを減らせる点も大きなメリットです。

このような理由から、早めの受診と治療計画が推奨されます。

単純性血管腫の治療法について

単純性血管腫(毛細血管奇形)は自然に消えることがないため、見た目の改善や心理的負担の軽減を目的として治療が行われます。

標準治療:色素レーザー(PDL)による照射療法

単純性血管腫はレーザー治療で赤みを目立たなくさせ、長期的には再発の可能性もあるため、生涯にわたって治療を繰り返すケースもあります。

そして、治療の開始として乳児期、特に生後3か月から1歳になる前に治療を始めるのがおすすめです。

赤ちゃんの皮膚は薄く血管も浅いのでレーザーがしっかり届き、治療の効果が出やすい時期です。

早期治療は将来的な心理的ストレスを減らすメリットもあるため、専門医への早めの相談が推奨されます。

治療回数・スケジュール

レーザー治療は1回で終わることは少なく、何回か通って少しずつ薄くしていきます。

だいたい3か月ごとに治療を繰り返し、数回から10回くらいで終わることが多いです。

早めに始めると回数が少なく済むことも多いので、早期のスタートがおすすめです。

治療費と保険適用について

単純性血管腫のレーザー治療は健康保険が適用されます。

さらに、居住地域の制度を利用すれば、自己負担を大幅に減らせます。

地域ごとに制度は異なります。

以下は福岡県みやま市の例です。

0歳〜3歳未満:外来・入院ともに無料

3歳〜就学前:外来ひと月600円まで、入院1日500円まで

小学生〜高校生相当:外来ひと月800円まで、入院1日500円まで

所得制限なし

まとめ:「単純性血管腫」についてお悩みの方は、みやまクリニック までお気軽にご相談ください。

単純性血管腫は、早期のレーザー治療と公的助成の活用が、経済的・心理的負担を軽減する最善の方法です。

見た目の変化はお子さんやご家族にとって大きなストレスになることもありますが、適切なタイミングで治療を開始することで改善が期待でき、将来の生活の質も向上します。

お子さまのあざが気になる方や治療をご検討中の方は、みやまクリニック へどうぞお気軽にご相談ください。

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